4,000万円のローンと向き合った日々|「立地」の価値を後から知った専門外の私の気づき

著者情報
執筆者:金子裕二(現役大学教員・カウンセラー)
25年以上の教育・研究実績(論文60本超)に基づき、
客観的な視点で執筆しています。

「自分を救うため」に手に入れた新築戸建て。

ところが・・・!

契約の熱狂が去った後に待っていたのは、4,000万円という巨大な負債と向き合う淡々とした日常でした。

当時は「不動産のプロ」でもなかった私が、10年間の返済生活を通じて気づいた「立地」という名の保険について振り返ります。

毎月の「17万円」が教えてくれた重圧

負債17万円の支払いが始まると、生活の風景は一変しました。

通帳から毎月、確実に削り取られていく大金。

心理学的に見れば、人は「大きな損失」にはいずれ慣れる(適応する)性質がありますが、それでも住宅ローンという長期にわたるサンクコストは、常に私の背後に静かに居座っていました。

「もし、この家を手放さなければならなくなったら?」 そんな不安がよぎるたび、私は自分の選択を正当化するための材料を探していました。

専門外だった私が気づいた「立地の正体」

4,000万円のローン契約書が置かれたデスクで、住宅地図の一点を指差しながら考え込む50代の男性(金子裕二)。窓の外には夕暮れ時の閑静な住宅街が広がり、個人的な利便性で選んだ『立地』が、後に負債を守る資産価値となったことに気づく場面を表現している。

購入当時、私が「駅徒歩5分」という条件にこだわったのは、資産価値を考えてのことではありません。

単に、元嫁が電車通勤だったため、わざわざ駅近の戸建てを探してきたのでした。バカ高い物件をです。

後にわかったことですが、この「利便性への固執」こそが、結果的に最大のセーフティネットとなりました。

  • 立地は「出口戦略」そのものだった
  • 建物は古びるが、駅からの距離は変わらない
  • 「誰かが欲しがる場所」に住むことが、負債のリスクを相殺する

これらは、後に投資を学ぶようになってから得た知識ですが、当時は無意識のうちに「駅に近い不動産という選択」が、「資産を守るための選択」と重なっていたのです。

その後不動産屋に務める方と知り合い、よく飲むようになりました。

彼から様々な不動産関連の知識をもらったので「駅近なら大丈夫かも」と思うようになったこともあります。

つまり、借金は高額でも、手放す時にトントンか利益がでるものを選ぶということになります。

「高騰」を喜ぶよりも、冷静に見つめる

昨今、不動産価格の高騰を煽るような情報が溢れています。

しかし、私は自分の経験を「成功体験」として語るつもりはありません。

私が4,000万円のローンを完済し、最終的にプラスの余剰を得られたのは、あくまで「偶然の時代背景」と「偶然の立地」が重なった結果です。

これを再現性のある手法として語るのは、あまりに誠実さを欠くと考えています。

ただし、「儲けよう」として手を出したわけではなく、10年以上という長いスパンで持ち続けることが、最終的に収益になるということを、なんとなく感じています。

結びに:負債は「学び」の授業料だった

10年かけてローンと向き合った日々は、私に「お金の流動性」と「場所の価値」を教えてくれました。

もし今、あなたが住宅購入を迷っているなら、それは「将来いくらで売れるか」という期待よりも、「万が一の時に、他の誰かがその場所を必要としてくれるか」という視点で選んでみてください。

それは、かつての私が無意識に手に入れていた、最大のリスク管理だったからです。

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1. 【判断の原点】なぜこの家を買う決断をしたのか

「立地」を重視した背景には、当時の切羽詰まった心理状態がありました。

2. 【行動経済学の視点】「執着」から自由になるために

記事内で触れた、過去の努力に縛られてしまう心理について詳しく解説しています。

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重要:読者への免責事項

※本記事は20年以上前の個人的な経験を振り返った記録です。

当時は現在(2026年)のような不動産価格の高騰や低金利環境とは全く異なる市場状況でした。

あくまで「当時の私がどう考え、どう動いたか」という心理的なプロセスを整理したものであり、現在の市場における不動産購入を推奨・肯定するものではありません。

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